自分で出来る、必要保障額の計算(算出)方法

収入から算出する方法

生命保険協会の保険外交員向けのテキストに出ていて、必ず試験にでるやり方です。この場合、必要保障額の計算式は、

必要保障額=家族の生活資金+妻の生活資金+死亡時にかかる固定的費用

となります。

具体例を挙げて説明します。

<条件>

  • 夫40歳、妻35歳、長男10歳、長女8歳。
  • 子供は2人とも大学に行くものとする。22歳で卒業。
  • 現在の月の収入は、30万円
    (なお、これを月の支出で計算しても良い)
  • 現在社宅なので、夫死亡時には出て行く必要がある。
  • 家族(妻と子2人)の生活資金は、現在の7割。
    (先ほどの30万円の7割)
  • 妻だけの場合は5割。
    平均余命については、厚生労働省の
    平成12年簡易生命を参考にする。

家族の生活資金

まず最初に、40歳で夫が死亡したと仮定します。で、今長女が8歳なので、大学卒業するまでに必要な額を計算します。

30万(月収)×0.7×12ヶ月×14<22歳(大学卒業年齢)-8歳(長女の年齢)> =3528万円

つまり今夫がなくなってから、長女が大学卒業するまで(14年)必要な額は3528万円、となります。

妻の生活資金

次に、長女が大学を卒業したときから妻の平均余命の必要な額を算出します。こちらをご覧ください。これを見ると、59歳の女性(妻40歳+長女が大学を卒業する14年間)の平均余命(ある年齢の人は、平均して後何年きるのか)は、27.77年となっています。つまり、59歳の妻は平均するとあと27.77年、約86歳までは生きるということになります。

だから、保険でこの27年間を保障してあげればよいわけです。

30万(月収)×0.5×12ヶ月×27(平均余命)=4860万円

夫死亡時にかかる固定的費用

次に固定的にかかる費用ですが

  1. 葬式費用…平均するとおよそ200万円くらいになります。
  2. 引越し費用…引越しにかかる費用と、新しい住居の敷金など…およそ50万円あわせて250万円必要になります。

これらを最初の式に当てはめると、3528万円+4860万円+250万円=8638万円となり、これだけ保険で用意してあげればよいということになります。

この方法の問題点

最初設定した収入(支出)以外何も考慮に入れていません。実際には貯金、遺族年金や老齢年金がありますから、本来ここまで用意する必要はありません。

ちなみに、大手保険会社の外交員はこの式を使っていますので、提案される保険が大きな額になりがちです。確かに保障は大きければ大きいほどいいとは思いますが、保険料がめちゃくちゃな金額になります。(払えるわけねーよ、ってらいの額になるので、適当に理由をつけて、額を減らして提案してきます)

いまの収入と家族全員の年齢さえわかれば誰にでも簡単に使えるのがこの方式のメリットです。しかし保障が大きくなりすぎます。それがこの方式の問題点です。

支出から算出する方法

先ほどの方法に比べて手間がかかりますが、しかしより正確な必要保障額が算出されます。

必要保障額=今後生活に必要になる額+死亡時にかかる固定的費用-預貯金、年金等

今後生活に必要になる額

これは「誰に、何時まで」という観点から、家計簿や統計を参考に算出します。

誰に

家族全体、妻、長男、長女に分けて考えます。

家族全体:自動車ローン等の各種ローン
(住宅ローンは、別の保険でカバーされますので、基本的に考慮する必要はありません)

妻:生活費(食費、家賃などの生活費)・・・家計簿から算出します。

子供たち:生活費(食費など)、学費(高校・大学分、場合によっては小中学校分も)家計簿と希望する学校のパンフレット(または統計集)を参照します。

なお生活費は、現在の支出に、夫死後はその7割、長男大学卒業後は6割、長女大学卒業後は5割を掛けて計算する、というのも一つの方法です。

何時まで

家族全体:ローンがなくなるまで必要になります。
妻:平均余命まで必要な生活費等をまかなえるようにします。
子供たち:大学卒業まで学費と生活費をまかなえるようにします。

こんな感じで必要となるであろう額をすべて、必要な期間分用意します。

死亡時に必要となる固定的費用

  • 葬式費用…地域によって異なりますが、およそ200~300万円
  • 引越し代…現在社宅に入っている場合は、引っ越す必要があります。
  • 相続にかかる費用…土地、建物を所有している場合、相続を起因とする登記が必要になります。
  • その他…各家庭の事情によって異なります。

なおこの費用はたとえ20歳でなくなっても80歳でなくなってもあまり変わりませんので、終身保険で備えることが多いです。若い時期は「今後生活に必要となる額」にまぜて定期保険で備え、老後は貯蓄でまかなう、というのも一つの方法です。)

預貯金、年金等

先ほど計算した額から、今ある預貯金、これからもらえるであろう年金、場合によっては妻の収入を引きます。

年金については、社会保険労務士に聞くのが一番確実ですが、お金がかかります。こちらで概算は計算できますので、活用してください。妻の老齢年金、妻と子がもらえる遺族年金をここで差し引くようにしてください。

以上のデータをまとめ、計算すると必要保障額が算出できます。

この方法の問題点

計算が面倒なので、ファイナンシャルプランナーに聞くか、必要保障額算出ソフトやサービスを使うことをオススメします。

最後に

最後になりますが、この必要保障額、誰にでも当てはまるような正確な答えはありません。その人、その家族ごとの事情がありますので、それを最大限考慮することになります。

たとえば、毎年家族で海外旅行に行きたいというのであれば、その分必要保障額は増えますし、保険に頼らず自分たちで稼ぐ、膨大な貯蓄があるという人であれば、その分を減らしてもかまいません。

要するにここでは一人一人のライフスタイル・ライフプランが問われているわけで、必要保障額を算出する場合は、夫婦でしっかり話し合って決めていただきたいと思います。そうして作った保険こそ、もっとも安い保険になるものだと私は思います。

必要保障額がわかったら

必要保障額がわかったら、終身保険、定期保険、養老保険に必要保障額を割り当てていくことになります。例えば葬式代など一生保障の対象にすべきものは終身保険、子供の学費など、一定期間(子供が就職するまで)のみのものは定期保険、という考え方をします。

実際に申し込む

必要保障額と、それを満たす保険が決まったら、あとは申し込むだけです。そこで次は申込みの際に気をつけたいことを述べていきます。

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